胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査

HOME

内視鏡検査について

内視鏡検査は内視鏡医の知識・技術・経験によって大きく左右されます。当院の内視鏡検査・手術は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が行います。微細な早期癌や前癌病変も発見できるよう、オリンパス社製の画像強調内視鏡(NBI[Narrow Band Imaging]、TXI[Texture and Color Enhancement Imaging])を有する最新の内視鏡システム( EVIS X1次世代の内視鏡システム「EVIS X1」を日本国内で発売:2020 ) を導入しています。高精度の検査を丁寧に、様々な工夫を用いて行うことにより、患者様へのご負担や苦痛が軽減するよう努めています。 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は月~土曜日(予約の必要はありません)、大腸内視鏡検査は月~金曜日(予約制)で施行しています。 当院は早期癌を見逃さないように一人一人の検査を手抜きなく丁寧に行っているため、待ち時間が発生することがありますが、ご理解の程よろしくお願いします。

・抗血栓薬を内服されている方へ

他院より抗血栓薬を処方されている患者様で、かかりつけ医から中止の指示がある場合はそれにしたがって頂きますが、原則として当院から抗血栓薬を中止する指示はいたしません。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について

当院では当日朝食を摂取されていない方、もしくは午後からの検査を希望される方で、朝食を検査の6時間前までに済ませている方であれば予約なしで検査を行っています。水分やお茶は少量摂取しても問題ありません。胃カメラ希望の方は、遅くても診察終了時間の1時間前にはお越しください。
胃カメラは口または鼻から内視鏡を挿入し、中下咽頭・食道・胃・十二指腸を直接観察する検査です。病変を発見した場合は組織を採取して病理組織検査を行うことで病気の確定診断を行うことも可能です。
ヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無を調べることも可能です。ご家族に胃がんになった方がいる、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているなど、胃癌リスクが高い方は症状がなくても定期的に胃カメラを受けて頂くことで胃癌の予防や早期発見につながります。
胃カメラは喉を通過する際に嘔吐反射がおきるために苦痛が出現することがあります。経口内視鏡検査では、苦痛を和らげるために鎮静剤を使用して検査を行うことができます。鎮静剤を使用すると緊張が和らぎ、ウトウトした状態になり検査を楽に受けることができます。また鼻から挿入する経鼻内視鏡検査は舌の奥に内視鏡が当たらないので嘔吐反射や苦痛が少なく、またスコープが細いため楽に検査を行うことが可能です。
鎮静剤を使用された方は少なくとも1時間はリカバリースペースで休んで頂きます。鎮静剤の効果がきれるまでゆっくりお休みいただけます。鎮静剤を使用していない方はすぐに結果説明が可能です。

当院の経鼻内視鏡について

従来の経鼻内視鏡は経口内視鏡と比較すると画質が荒く、精密な検査や微小病変の検出には適していませんでした。しかし当院では最新のGIF-1200Nスコープ(先端外径5.4㎜の極細径上部消化管汎用ビデオスコープ「GIF-1200N」を新発売:2020:ニュース:オリンパス (olympus.co.jp))を使用しております。GIF-1200Nスコープは新しく開発されたCMOSイメージセンサーを搭載しており、従来の経鼻内視鏡よりも格段に明るくノイズの少ないハイビジョン画像を実現し、微細な血管や粘膜の表面を詳細に観察できます。先端径は5.4mmと現存する経鼻内視鏡では最も細径ですが、経口内視鏡と同等の高画質で精度の高い胃カメラ検査が可能です。ご希望の方は診察時に相談して下さい。

検査の費用の目安

1割負担 3割負担
上部消化管内視鏡検査(検査のみ) 約2,000円 約6,000円
上部消化管内視鏡検査+病理検査※ 3,000~3,500円 9,000~10,500円
胃内視鏡的異物摘出術(胃アニサキス除去など) 約5,000円 約15,000円

※個数や部位により異なります

大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査とは

内視鏡を肛門から挿入して直腸から盲腸、回腸末端までの大腸粘膜全体を直接観察します。大腸癌は近年男女ともに罹患率・死亡率が上昇しています。しかし早期に発見できれは完治可能な病気です。また前癌病変である大腸腺腫や右側結腸の鋸歯状病変は切除することで大腸癌の予防につながります。早期の大腸癌や前癌病変は自覚症状がありません。大腸癌は加齢、飲酒や喫煙、食習慣、運動不足などの生活習慣が大きく関与しているため、癌発症リスクが上昇し始める40歳を超えたら定期的な大腸内視鏡検査を受けることをお薦めしています。便潜血検査が陽性の方、ご家族に大腸癌になった方がいる場合は症状がなくても大腸内視鏡検査を受けて頂くことで大腸癌の予防や早期発見につながります。大腸癌の場合は早期診断が非常に重要であるため、排便習慣が変化した場合にはスクリーニングを受けることをお薦めします。またポリープや癌の有無だけでなく、下痢や血便が持続する方では炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)やその他の腸炎がないかどうか、痔の評価等も可能です。
大腸内視鏡検査は下剤による前処置が必要になります。下剤と前日の食事をお渡しする必要がございますので、事前に一度診察を受けてから予約して頂きます。なお、在宅で下剤を内服するのが困難な高齢者の方、ADL(Activities of Daily Living,日常生活における基本的な動作)が悪い方は連携施設を御紹介させて頂きます。

大腸の前処置

大腸検査の質は腸管洗浄の程度に影響されます。検査前に大腸をきれいにする目的で、2リットル近くの腸管洗浄液を飲まなければ、大腸の中に存在する便や食べ物の残りカスを排泄することができません。どんな味の液体であっても2Lの液体を服用するのは大変です。当院では複数の種類の下剤を準備しております。下剤内服中の排便時は、ウォシュレットは弱めで柔らかいトイレットペーパーを使用すると、前処置時の肛門の疼痛を予防できます。
下剤内服に抵抗がある方でも勇気を出して大腸内視鏡検査を受けて良かったと思って頂けるような質の高い検査を目指しております。自宅で下剤の内服が困難な患者様に関しては、院内で下剤が内服できる連携医療機関を紹介させて頂いております。

拡大内視鏡を用いた正確な診断

当院では全例で拡大内視鏡を使用しており、病変を発見したらその場で拡大観察を行っています。拡大観察を併用することにより大腸ポリープの正確な診断が可能になります。当院副院長は、大腸ポリープ・大腸癌に対する色素拡大内視鏡を用いたpit pattern診断学に精通し、またNBI拡大内視鏡分類である“JNET分類”作成のコアメンバーであり、拡大内視鏡による正確な診断が可能で、それに基づく過不足ない治療を行っています。

発見と同時にポリープを切除

切除適応になる大腸ポリープを発見した場合はその場で切除を行っております。切除部位の創部が大きい場合や後出血のリスクがある場合は創部に対してクリップを用いた創部の閉鎖を行います。サイズが大きいポリープや日帰りでの切除が困難な形態のポリープに関しては入院での治療が必要になることがあるので、その場合は治療可能な連携医療機関を紹介させて頂きます。
内視鏡的大腸ポリープ切除は内視鏡手術になります。いわゆる日帰り手術に該当しますので、該当する民間保険に加入している場合は診断書をご提出下さい。

苦痛を軽減する配慮

適切な内視鏡の選択

大腸(特にS状結腸)の構造は、患者様の体型や手術歴などで個人差があります。当院では複数の内視鏡スコープを保有しており、患者様によって最適な内視鏡を選択して検査を行っております。標準外径のスコープは、挿入時にスコープの直線化を保持しやすく、スコープのひねりや出し入れに対する追従性に優れるという特徴があり、後述する「軸保持短縮法」による苦痛の少ない検査をするのに適しています。しかし、腹部手術の既往を有する癒着のある方や憩室が多発している方、体格の小さい女性では小回りが利かず、疼痛が生じやすいデメリットがあります。そのような患者様には苦痛を軽減することを優先して細径の内視鏡を使用し検査を行っております。

鎮静剤・鎮痛薬の使用

効果は個人差がありますが、検査に対する不安や疼痛を軽減します。効果が不十分な場合は途中で追加することもできます。使用に関しては患者様の希望を優先しております。検査後は十分休んで頂きます。検査後の車の運転は控えて下さい。

炭酸ガス送気の使用

内視鏡検査は消化管に送気を行って管腔を拡張させて観察を行います。空気送気では消化管に溜まったガスにより腹部膨満感や吐き気が出現する場合があります。炭酸ガスは空気よりも約100倍吸収が早く、検査中や検査後の腹部膨満感や吐き気を軽減する効果があります。当院ではオリンパス社製の内視鏡用炭酸ガス送気装置(OLYMPUS UCR)を採用しております。

軸保持短縮法

「軸保持短縮法」とは、下部直腸から盲腸までを一直線の軸に見立て、その軸に沿って腸管を伸ばさずに挿入する方法で、我が師である工藤進英先生が考案されました。常にスコープの軸を直線的に保ち、腸管を伸展させず、理想的な腸管軸を作りながら最短距離でスコープを挿入するので緻密で繊細な内視鏡操作が必要で、習熟するためには相当な鍛錬が必要です。副院長は昭和大学横浜市北部病院消化器センターで軸保持短縮法を習熟し、後進の指導や研究会・学会のハンズオンセミナー、海外でも若い先生方に実技指導を行って参りました。一般的によく行われている「Push法」の挿入は、スコープを押し進めることにより腸を伸ばしながら挿入していきます。 屈曲部でスコープを押すことにより腸が引き伸ばされ、患者さんは強い苦痛を感じます。当院では理想的な「軸保持短縮法」を基本とした挿入を心がけています。

徹底した内視鏡・処置具の洗浄

検査で使用した内視鏡は、日本消化器内視鏡学会が提唱する「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」に従った方法で検査毎に徹底して洗浄を行っております。処置具に関しては、基本的にはディスポーザブル(使い捨て)製品を使用しております。ディスポーザブル製品のない処置具に関しては、使用後、酵素洗浄剤に浸漬し、超音波洗浄機での30分の洗浄、オートクレーブでの滅菌を行っております。

検査の費用の目安

1割負担 3割負担
大腸内視鏡検査(検査のみ) 約2,500円 約7,500円
大腸内視鏡検査+ポリープ切除術※ 7,000~10,000円 21,000~30,000円

※個数や部位により異なります。

医療法人紀の国会 和田胃腸科医院

〒640-8323
和歌山県和歌山市太田1丁目4-21

TEL:073-473-5252 
[診療時間]
7:30〜12:30/13:30〜16:00 ※木曜8:00〜12:00、土曜12:00まで
[休診日] 日曜、祝日 ※臨時休診あり

お問い合わせ